このコーナーでは、足のケア専門家・フットケアスペシャリストが自宅で3分簡単「セルフフットケア」法をお伝えしていきます。
第9号では、「間違ったサンダル選びはからだを痛める凶器!?」をご紹介します。
2019年の夏は、焼けつくような炎暑日が続きましたね。思わず素肌でサンダルを選び、解放的な足元にしたくなりますね。湿度の高い日本では、サンダルが非常に人気ですが、間違ったサンダル選びでこの夏、足やからだを痛めてしまった方はいらっしゃいませんか?
サンダルには、大きく3種類あると言われています。
(1)ミュール型サンダル
(2)ハイヒールサンダル
(3)厚底サンダル
(1)ミュール型サンダル
基本的に、 足首やかかとの支えがないため、不安定で脱げやすいといえます。
約300名の女子大学生に対するサンダルのアンケート調査(平林ら 2005)では、
・水ぶくれやタコができた 約90%
・滑った・転びそうになった 81%
・階段や溝で転びそうになった 66%
・「擦り傷・打撲」などの怪我をした 30%
との結果が報告されています。
(2)ハイヒールサンダル
ハイヒールサンダルにおいては、女性の84%になんらかの障害報告がありました。
・歩幅 が小さくなる
・膝が曲がり、上体が前傾したすり足歩行(姿勢)になる
・外反母趾の発現率が高い
・足の障害だけでなく、腰痛、全身の障害を誘発する危険性
との報告もあります。
(3)厚底サンダル
最後に、厚底サンダルにおいては、
・10人に1人が転んで怪我 をした経験あり
・正常な歩行が妨げられ不安定である
・腓腹筋への負担が大きく、ずり足歩行によるつまづきの危険性がある
・歩行速度が低下する
との報告があります。
しかしながら、「危険や足への負担を感じるが我慢して履いている」と回答した方が46%と約半分いました。
下の2枚の写真をご覧ください。
サンダルを履いた状態を後や横からじっくり見たことがありますか?
足は、からだの土台です。間違ったサンダル選びで、足だけではなく、体全体の歪みに繋がるのは、非常に恐ろしいことですね。
今一度、自分や周りの大切な方の足元をじっくり観察してみましょう。
次回は、足とからだに優しいサンダル選びのポイントについてお話しします。
桜井 祐子
フットケアスペシャリスト(足のケア専門家)
博士(スポーツ医学)
足の専門店 PEDI CARE 代表(横浜)
足の専門校 SCHOOL OF PEDI 校長(横浜)
一般社団法人日本トータルフットマネジメント協会 理事長
一般社団法人足育研究会 経営企画委員
日本フットケア学会 会員
日本靴医学会 会員
日本臨床スポーツ医学会 会員
足の問題を様々な視点から保存的に改善するために、ドイツ式メディカルフットケア ポドロギーをベースとした角質ケア、足爪ケア、巻き爪ケア、リフレクソロジー、ボディケア、インソール作成、靴調整などのトータルフットケアを提供するフットケアサロンを開設。足の専門家育成のために、医師・看護師・介護福祉士・セラピスト向けにスクールで指導にもあたる。著書に「サロンワークに役立つ実践フットケア」(フレグランスジャーナル社)。 NHK出演、書籍、雑誌執筆、講演多数。
JTFA web: http://www.japanfoot.or.jp
足育研究会 web: http://www.sokuiku.jp/
Salon web: http://www.globalcare.co.jp/
School web: http://school.pedicare.jp/